髪質改善ヘアケアリスト 姫路美容室auraタカハラの営業日誌

1980年生まれ。姫路市在住*美容師歴21年目★髪質改善トリートメント、★バランス理論に基づいたショートボブ、ショートカット、★ノンジアミンカラー、★ヘッドスパを得意としています。趣味は漫画と登山⛰好きな食べ物は小籠包。

【美容師コラム】10代に多い抜毛症

                     10代に多い抜毛症
 
 
仕事柄、日々様々な年齢の方の「地肌」を診る事が多いのですが、ここ10年くらいでしょうか、髪の毛をむしってしまう、「抜毛症」に悩むお母様からの相談を受けます。
というのは、この症状、中学生~高校生の思春期の子供たちに見られるからです。
 
抜毛症がどういう状態かというと、無意識、または意識的に、髪の毛を無理やり引っ張って抜いてしまい、それがやめられなくなる行動です。同じ場所を抜くことが多く、だんだんと部分的に髪がなくなり、地肌がみえる状態になります。この時点でご家族が気付くことがあり、「やめなさい。といってもやめなくて・・・」と相談を頂きます。
 
医療の専門家ではないですし、ただただ、その10代のお客様の心の声を聞いていて判断してきた美容師としての見解ですが、「抜毛症」は、心のストレスが原因でおきていると思います。
 
小学生から中学生へ大きく環境が変わる時の不安であったり、塾、部活・・・と自分の時間がなく、コロナでお友達ともなかなか遊べない等、「この“しんどさ”が、何なのか分からない、だからそれをどう表現していいか分からない。」
無意識に心のバランスを保つために自分の髪を抜き、心の安定を保っているのだと思います。
 
広いようで狭い、「学校」というコミュニティーの中で生活し、集団特有の感覚の中だと、自分が何に悩んでいるのかも、辛さの原因も分からなくなることもあり、外にSOSを出せなくなるのではないでしょうか。
 
そういう私自身も、中学生の頃、襟足の髪を引きちぎる癖がありました。だいたい試験前や机に向かって座っていなきゃいけない時に出ていたと思います。触ってしまう癖だと思っていましたが、きっと心のバランスを保っていたのだと、今だから分かります。
 
髪を抜いてしまう学生さんとお話しする時、髪を抜くのは、心が疲れていたり、不安や悩みでいっぱいいっぱいになっている事をお知らせしてくれていて、抜いてもまた生えてくるから、やりたい時はやってもいいけれど、やったことで自分を嫌いになったらあかんよ」とお伝えします。やってはいけないことだと、本人が一番分かっていますし、「またやって!!」と責めないことが大事かなと思います。それよりも、悩んでいることがあったら、表現する言葉が見つからなくても、時間をかけて相談したらいいよ。と。
 
髪は、その時の精神面も現れることがあります。大人になれば、年齢性別、考え方も違う人たちと関わることで、うまく受け流したり、考え方を変えたりしながら悩み自体が自分の事以外へと変わっていくものですが、思春期は、今いる環境が全て。他者と自分を比較して落ち込むこともあると思います。
 
SOSとして表れる抜毛症。地肌のケアより、心に寄り添うことが一歩ではないでしょうか 
 
 
                                naoko takahara